ホームページ制作・Web 開発ガイド

EC サイトのセキュリティ対策 | カード決済で押さえるべき対応

ネットショップでは、カード情報の漏洩と不正利用が、売上と信用に直結します。カード決済を扱う EC サイトには、法律と業界のガイドラインで求められている対応があります。本記事では、Shopify・BASE などのサービスを使う場合も、独自に作る場合も押さえておきたい点をまとめます。

更新 2026/10/25約 4 分
01

EC サイトに求められている対応

カード決済を扱うネットショップ(EC 加盟店)には、大きく 2 つの対応が求められています。

  • カード情報の適切な管理(割賦販売法): 2018 年に施行された改正割賦販売法で、加盟店にカード情報の適切な管理と不正利用の防止が義務づけられました。カード情報を自社で保存・処理しない「非保持化」が基本の考え方です
  • 本人認証(EMV 3-D セキュア): 経済産業省が関わる「クレジットカード・セキュリティガイドライン」は、2023 年 3 月の改訂で、2025 年 3 月末までに原則すべての EC 加盟店に EMV 3-D セキュアの導入を求める方針を示しました

EMV 3-D セキュアは、カードを使うときに本人かどうかを確かめる仕組みです。いつもと違う買い方のときだけ追加の認証を求めるため、普段の買い物の手間は大きく増えません。

02

ショップの作り方で、やることが変わる

作り方カード情報ショップ側でやること
Shopify・BASE・STORES などサービス側の決済で処理され、ショップは持たない管理画面のアカウントの守り、3-D セキュアの設定確認、不正注文への備え
独自に開発(決済代行を利用)決済代行会社の画面や仕組みで処理し、自社サーバーを通さない形にする非保持化の構成にする、決済代行の 3-D セキュアを有効にする、サイト自体の脆弱性対策
独自に開発(自社でカード情報を処理)自社で保持・処理する国際的な基準(PCI DSS)への準拠が必要になり、負担が非常に大きい。中小企業では避けるのが一般的

中小企業が独自のショップを作る場合も、カード情報は決済代行会社に任せて「自社では一切持たない」形にするのが基本です。

03

不正注文への備え

盗まれたカード情報で商品を買われると、後からカード会社に取り消され(チャージバック)、商品も代金も失うことがあります。

  • 転売されやすい商品は特に注意: 家電・ブランド品・ギフト券・チケットなど
  • 怪しい注文のサイン: 初めての客が高額を大量に注文、配送先と請求先が大きく違う、短時間に何度もカードを試している
  • 決済代行の不正検知を使う: 多くの決済代行会社が、怪しい取引を止める機能を用意している
  • カードを何度も試す攻撃を止める: 同じ人が短時間に何度も決済を試せないように制限する
04

ショップ運営で毎日気をつけること

  1. 1管理画面のパスワードを使い回さず、2 段階認証を入れる
  2. 2スタッフのアカウントを人ごとに分け、辞めた人のアカウントはすぐ止める
  3. 3使っていないアプリ・プラグインを削除する(外部のアプリが情報の入口になることがある)
  4. 4顧客情報の書き出し(CSV など)をした場合は、使い終わったら消す
  5. 5「決済の設定を変更してください」などのメールは、管理画面に直接ログインして確かめる

カード情報を持たない構成でも、顧客の氏名・住所・購入履歴は預かっています。管理画面の守りは、どの作り方でも必要です。

05

漏洩や不正が疑われたら

  1. 1決済代行会社・カード会社(またはショップのサービス提供会社)にすぐ連絡する
  2. 2管理画面のパスワードを変更し、見覚えのないアカウントや設定変更がないか確認する
  3. 3個人情報が漏れた可能性があれば、個人情報保護委員会への報告と、本人への通知が必要になることがある
  4. 4原因が分かるまで、必要に応じてカード決済を一時停止する
Q&A

よくあるご質問

1
Shopify や BASE を使っていればセキュリティ対策は不要ですか?
カード情報の処理はサービス側が行うため負担は小さくなりますが、管理画面のアカウントの守り、スタッフの権限、不正注文への備えはショップ側の責任です。不要にはなりません。
2
EMV 3-D セキュアを入れると、買い物が面倒になって売上が下がりませんか?
いつもと違う買い方のときだけ追加の認証を求める仕組みのため、多くの買い物では手間が増えません。不正利用によるチャージバックの損失を防げる点も含めて考えるのがおすすめです。
3
自社開発の EC サイトでカード情報を保存してもよいですか?
おすすめしません。カード情報を自社で保持・処理すると、国際的な基準(PCI DSS)への準拠が必要になり、費用も手間も大きくなります。決済代行会社に任せて自社では持たない構成にするのが一般的です。
4
不正注文を完全に防ぐことはできますか?
完全には難しいですが、3-D セキュア、決済代行の不正検知、怪しい注文の確認の組み合わせで、大きく減らせます。転売されやすい商品を扱う場合は特に重点的に対策しましょう。
5
EC サイトを作るときに、セキュリティはどこまで任せられますか?
Co-Craft では、カード情報を自社で持たない構成や、決済代行の 3-D セキュアを前提にした設計をご提案します。どのプラットフォームが合うかも含めてご相談ください。

関連ページ

この記事と一緒に読まれているページ

AIに相談する

作りたいものを伝えるだけ。AIが要件を一緒に整理します。

相手はAIなので、「まだ具体的じゃないけど…」「こんなこと頼めるの?」くらいの相談で大丈夫です。

その他のガイド

あわせて読みたい記事

ガイド

ホームページ制作の費用相場 | 2026 年版・業種別の目安と選び方

ホームページ制作の費用相場は 10〜150 万円。LP・コーポレートサイト・EC サイト・Web アプリで大きく変わります。本記事では業種別・規模別の費用目安、料金の内訳、安く抑えるためのコツを 2026 年最新情報でまとめます。

続きを読む
ガイド

個人事業主にホームページは必要?効果と最低限の機能を解説

個人事業主・フリーランスの方から「ホームページは必要ですか?」というご相談をよくいただきます。結論からいうと、ビジネスを長く続けたいなら必要です。本記事ではその理由、最低限の機能、費用感を解説します。

続きを読む
ガイド

AI チャットボット導入の効果・費用・選び方 | ChatGPT 活用の実態

AI チャットボットを導入すると、よくある質問への回答を 24 時間自動で返せます。どこまで任せられるかは、問い合わせのうち定型的な質問がどれだけあるかで決まります。費用は20〜200万円、毎月の API 料は 1〜10万円。本記事では効果・費用・主要サービスの比較を解説します。

続きを読む
ガイド

LP のコンバージョン率を上げる 10 のコツ | CVR 2 倍を目指す改善ポイント

LP(ランディングページ)のコンバージョン率(CVR)の平均は 1〜3% 程度。本記事では CVR を上げるための 10 の改善ポイントを、データと事例を交えて解説します。

続きを読む
ガイド

ホームページ制作会社の選び方 | 失敗しない 5 つのチェックポイント

ホームページ制作会社選びで失敗する企業は少なくありません。本記事では、料金・実績・対応力など 5 つのチェックポイントと、注意すべき業者の特徴を解説します。

続きを読む
ガイド

EC サイト構築プラットフォーム徹底比較 | Shopify・BASE・STORES・自社開発

EC サイト構築の主要プラットフォーム 6 種を徹底比較。費用・機能・運用面から、月商規模別・事業形態別の最適解を解説します。

続きを読む
ガイド

ホームページは自分で作る?プロに頼む?費用・時間・品質の徹底比較

ホームページを自分で作るか、プロに依頼するか。多くの中小企業・個人事業主が悩むこの選択を、費用・所要時間・品質・運用負担の 5 軸で徹底比較します。あなたの状況に合った答えが見つかるはずです。

続きを読む
ガイド

WordPress vs Wix vs STUDIO | 2026 年版・どれを選ぶべき?

ホームページを作る選択肢として WordPress・Wix・STUDIO の 3 つがよく比較されます。それぞれ得意分野が違い、選択を間違えると数年後に後悔することも。本記事で 8 つの観点から徹底比較します。

続きを読む
ガイド

採用サイト制作で応募が増える 7 つの構成要素 | 費用相場と作り方

採用サイトは「会社情報を載せるだけ」では応募が増えません。求職者の不安を解消し、入社後のイメージを湧かせる構成が必須。本記事では応募につながる構成要素と費用相場、依頼時の注意点を解説します。

続きを読む
ガイド

中小企業のホームページ SEO 対策 | 今すぐやるべき 10 の基本施策

SEO 対策は「業者に丸投げ」では効果が出にくく、自社で施策を理解して動かすことが成果への近道です。本記事では中小企業が今すぐ自分で取り組める 10 の基本施策を、具体的な手順とともに解説します。

続きを読む
ガイド

中小企業の DX 入門 | 何から始める?費用・補助金・進め方

DX (デジタルトランスフォーメーション) は「大企業の話」ではなく、人手不足に悩む中小企業こそ取り組むべきテーマ。本記事では DX の始め方・費用・補助金の活用法・業種別の着手ポイントを解説します。

続きを読む
ガイド

ホームページリニューアルの完全ガイド | タイミング・費用・失敗回避

「そろそろリニューアルしたい」と考えている方へ。本記事ではリニューアルの判断基準、費用相場、SEO を落とさない移行手順、よくある失敗例まで網羅的に解説します。

続きを読む
ガイド

MEO 対策の完全ガイド | 地域集客で Google マップ上位表示する方法

実店舗を持つ事業者にとって、MEO(Google マップ最適化)は SEO 以上に重要。本記事では Google ビジネスプロフィールの最適化、口コミ獲得施策、地域 SEO との違いを実践的に解説します。

続きを読む
ガイド

AI チャットボットのセキュリティ対策 | 導入前に確認したい 10 項目

IPA の「情報セキュリティ10大脅威 2026」で、「AI の利用をめぐるサイバーリスク」が組織向けの 3 位に初めて入りました。ホームページに AI チャットボットを置くときに気をつけるべきことは、実は多くありません。「AI に何を見せるか」「AI に何をさせるか」の 2 つを先に決めれば、主なリスクは設計の段階で小さくできます。

続きを読む
ガイド

ホームページのセキュリティ対策 | 中小企業がまず押さえる 10 項目

ホームページの被害でいちばん多いのは、高度な攻撃ではなく「古いまま放置されたソフトウェア」を狙われることです。2026 年 7 月には、WordPress で認証なしに遠隔操作される脆弱性が見つかり、IPA が注意喚起しました。本記事では、制作会社に頼む場合も自分で運用する場合も押さえておきたい基本の 10 項目をまとめます。

続きを読む
ガイド

生成 AI の社内ルールの作り方 | 中小企業が最初に決める 7 項目

社員がすでに ChatGPT などを仕事で使っているのに、ルールが無い。中小企業ではよくある状態です。禁止すると、こっそり個人のアカウントで使われて、かえって危なくなります。本記事では「使ってよい形」を先に決めるための、最小限の社内ルールの作り方をまとめます。

続きを読む
ガイド

AI なりすまし詐欺の対策 | 偽の声・偽のメールから会社を守る

生成 AI を使えば、本物そっくりの文章も、社長の声も、ビデオ会議の顔も作れてしまいます。2024 年には香港で、偽のビデオ会議にだまされた社員が約 38 億円を送金する事件が起きました。本記事では、見破れない前提で被害を防ぐ「手順の決め方」をまとめます。

続きを読む
ガイド

ランサムウェア対策 | 中小企業がまずやるべきこと

ランサムウェアは、会社のデータを暗号化して使えなくし、元に戻す代わりにお金を要求する攻撃です。警察庁によると、令和 7 年の被害報告は 226 件で、そのうち約 6 割が中小企業でした。「大企業の話」ではありません。本記事では、限られた予算と人手でまず押さえるべきことをまとめます。

続きを読む
ガイド

システム開発を外注するときのセキュリティ要件 | 発注前に決めたい 10 項目

業務システムや Web アプリを外注するとき、機能や費用は細かく決めても、セキュリティは「よろしくお願いします」で済ませてしまうことが多いものです。ところが、何を求めるか決めていないと、見積もりに入らず、作られもしません。本記事では、専門知識がなくても発注前に決められる 10 項目をまとめます。

続きを読む
ガイド

AI エージェント導入のセキュリティ | 権限をどこまで渡すかの決め方

AI が文章を返すだけでなく、メールを送り、ファイルを読み、社内のシステムを操作する「AI エージェント」が広がっています。便利な一方で、だまされたときに実際の操作まで行ってしまう危険があります。本記事では、業務の自動化に AI を組み込むときに、どこまで任せるかを決める考え方をまとめます。

続きを読む
ガイド

PHP の脆弱性「PHP2Shell」の対策 | 中小企業がいまやるべきこと

2026 年 10 月 21 日、Web サイトで広く使われているプログラム言語 PHP に、認証なしで遠隔からサーバーを操作されるおそれのある重大な脆弱性が公表されました。通称「PHP2Shell」です。公表の前後には、国の機関や自治体、銀行、レンタルサーバー会社などがサイトやサービスを一時停止しました。本記事では、自社のホームページが影響を受けるかの確かめ方と、やるべきことをまとめます。

続きを読む
ガイド

WordPress の保守とセキュリティ | 放置されたサイトが危ない理由

2026 年は、WordPress にとって厳しい年になりました。7 月には WordPress 本体に、10 月には WordPress を動かしている PHP そのものに、遠隔から操作されるおそれのある重大な脆弱性が見つかりました。どちらも「更新していれば防げる」ものです。本記事では、WordPress のサイトを持つ会社が続けるべき保守の手順をまとめます。

続きを読む
ガイド

個人情報が漏れたときの対応 | 報告義務と最初にやるべきこと

メールの誤送信、パソコンの紛失、不正アクセス、ランサムウェア。個人情報の漏洩は、規模に関係なくどの会社でも起こりえます。一定の場合には、個人情報保護委員会への報告が法律で義務づけられており、期限もあります。本記事では、いざというときに慌てないための手順をまとめます。

続きを読む
ガイド

メールのなりすまし対策 | SPF・DKIM・DMARC をやさしく解説

「自社のアドレスから身に覚えのないメールが送られている」「送ったメールが相手の迷惑メールに入る」。どちらも、メールの送信元を証明する設定(SPF・DKIM・DMARC)が足りないと起きやすくなります。Gmail は 2024 年 2 月から、送信者にこの設定を求めています。本記事では、仕組みと進め方を専門用語をできるだけ使わずにまとめます。

続きを読む
ガイド

SECURITY ACTION の宣言方法 | 一つ星・二つ星と補助金の要件

SECURITY ACTION(セキュリティ対策自己宣言)は、中小企業が自らセキュリティ対策に取り組むことを宣言する、IPA(情報処理推進機構)の制度です。IT ツールの導入を支援する補助金では、この宣言が申請の必須要件になっています。本記事では、宣言の中身と進め方を、補助金の段取りとあわせて整理します。

続きを読む
ガイド

お問い合わせフォームのセキュリティ対策 | スパムと悪用を防ぐ

お問い合わせフォームは、ホームページの中で外部の誰でも入力できる数少ない場所です。そのため、宣伝スパムが大量に届く、自動返信メールが迷惑メールの送信に使われる、入力された内容が管理画面で攻撃に使われる、といった問題が起きやすくなります。本記事では、フォームで起きることと、その防ぎ方を整理します。

続きを読む
ガイド

ドメイン・サーバーの名義と管理 | 失効・乗っ取りを防ぐ

ホームページのアドレス(ドメイン)とサーバーは、会社の看板と土地のようなものです。ところが、制作会社の名義で契約したまま、更新や管理の状況を誰も把握していないケースが少なくありません。本記事では、名義の確認から、失効やドロップキャッチの危険、管理の引き継ぎ方までを整理します。

続きを読む